スモールハウス(Tiny House)は、必要最小限の広さで設計されたコンパクト住宅を指し、一般的に20㎡前後(6坪程度)が主流です。海外では車輪付きで移動できるタイプも多く、米国・カナダ・オーストラリアなどで「Tiny House Movement」として一大ムーブメントになっています。日本でも近年、ミニマリズムや省コスト住宅の関心が高まり、注目を集めています。
海外の状況と価格
- アメリカ
米国ではDIYで建てる人も多く、キット購入なら**3万〜8万ドル(約450万〜1,200万円)**が相場。中古だとさらに安い場合もあります。移動型はキャンピングトレーラーの延長として人気で、郊外や自然の中に設置する人が増えています。 - オーストラリア/ニュージーランド
環境意識が高く、太陽光発電や雨水タンクを備えた“オフグリッド型”が主流。価格は**約6万〜12万豪ドル(約600万〜1,200万円)**程度。 - 共通傾向
「低コストで住宅ローンから解放されたい」「生活をシンプルにしたい」という理由で若年層やセミリタイア層から支持を受けています。
日本の状況と価格
- 市販のスモールハウス例
・無印良品「無印良品の小屋」:税込約300万円(約9㎡、木造、家具なし)
・BESS「IMAGO」:400万円〜600万円台(ログハウス風)
・大手プレハブメーカーのモデル:200〜500万円程度から。 - 特徴
土地代が高い都市部ではセカンドハウスや別荘としての利用が多く、郊外や地方移住とセットで購入するケースも増えています。 - 規制面の課題
建築基準法や固定資産税の対象、土地用途の制限などがあり、海外ほど自由には設置できないのが現状。
メリット
- 住宅費が安い:数百万円から建てられ、ローン負担を大幅に減らせる。
- 維持費が低い:光熱費・修繕費・固定資産税も小規模。
- 生活がシンプルになる:物を減らすきっかけに。
- 環境負荷の低減:省エネ・小スペースで資源消費が少ない。
デメリット・注意点
- 収納不足 → 持ち物の大幅な取捨選択が必要
- 家族向けには狭すぎる場合が多い
- 都市部での設置は法規制・土地確保の難易度が高い
- 資産価値が低く、中古売却が難しい
まとめ
海外では自由度の高い法制度とDIY文化に支えられ、スモールハウスが幅広い層に普及しています。一方、日本では土地や規制の制約から都市部での常設は難しいものの、**無印良品の小屋(300万円)**やログハウスメーカーのモデルなど、選択肢は着実に広がっています。
「持たない暮らし」「低コストな住まい」を求める人にとって、スモールハウスはFIREや二拠点生活にもフィットする新しい住宅スタイルといえます。
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