結論から言うと、株価が最高値でも、投資のリスクが小さくなったわけではありません。金利が上がる局面では、企業の利益にも、株価の評価にも負担がかかります。だから僕は、上昇に乗り遅れることより、下落したときに投資を続けられるかを大切にしたいと思っています。
資産が増えるのは、もちろんうれしい。ただ、証券口座に表示される数字が増えるほど、「もう少し投資額を増やそうかな」と気持ちが大きくなることもあります。
そんなときこそ、株価のニュースと一緒に見ておきたいのが「金利」です。
最高値のニュースの裏で、金利も高くなっている
2026年10月8日の米国市場では、S&P500が前日比0.5%下落し、ナスダックは1.3%下落しました。S&P500は最高値を付けた後、2日続けて下落しています。(apnews.com)
一方、米10年国債利回りは8日の取引中に5.227%。前日に24年ぶりの高水準を付けた後、国債入札の堅調さを受けて低下しましたが、依然として高い水準です。(reuters.com)
株式への期待が強くても、お金を借りるコストは高い。今の市場では、この二つが同時に起きています。
金利が1%上がると、企業には何が起きる?
例えば、借入金が1,000億円ある会社を考えてみます。
仮に全額の借入金利が年2%から3%に変わると、年間の利息は20億円から30億円へ。金利が1ポイント上がるだけで、年間10億円の負担増です。
実際には固定金利や借り換え時期があるため、すぐに全額へ影響するわけではありません。それでも、高い金利が長く続けば、設備投資や採用に回せるお金が減る可能性があります。
売上が伸びていても、利息の負担で利益が伸びにくくなる。株価を見るときは、成長率だけでなく、その成長にどれだけ借金が必要なのかも気になります。
「将来への期待」が大きい株ほど、金利が重荷になる理由
金利上昇は、企業の借金だけの問題ではありません。
将来受け取るお金を、今の価値に置き換えるときにも影響します。
例えば、10年後に受け取る100万円。年3%で割り引くと現在価値は約74万円ですが、年5%なら約61万円です。
将来の100万円は同じでも、今いくら払ってよいかという評価は変わるわけです。
実際の株価計算はもっと複雑ですが、遠い将来の利益への期待が大きい成長株では、この影響が出やすくなります。
**「いい会社だから、どんな価格でも買っていい」とは言えない。**ここが投資の難しいところだと思います。
僕は、下落そのものより「続けられないこと」が怖い
僕はコロナ禍の個別株投資で、約200万円の損失を経験し、怖くなって売ってしまったことがあります。
振り返ると、相場の下落だけでなく、自分が耐えられる金額を理解できていなかったことも大きかったと思います。
1,000万円を投資していれば、20%の下落で200万円減ります。30%なら300万円です。
「長期なら大丈夫」と頭で分かっていても、数百万円が減った画面を見ながら冷静でいられるかは別の話でした。
だから今は、長期投資や高配当を軸にしながら、生活費まで相場に預けないことを意識したい。投資で自由を増やすつもりが、株価に気持ちを支配されては苦しいですから。
高配当株や債券なら安心、というわけでもない
例えば100万円を配当利回り4%の株に投資すれば、年間配当は税引き前で4万円です。ただ、株価が20%下がれば評価損は20万円。年間配当5年分に相当します。
配当があることは支えになりますが、減配や値下がりの可能性まで消えるわけではありません。
債券も同じです。金利が上がると、すでに発行された債券の価格は一般に下がります。米国債を持つなら為替の影響もあり、ドルで増えても円で減ることがあります。
「利回りが高い」という数字だけで安心しないようにしたいところです。
最高値の日にも、下落した翌日を想像しておく
僕が確認したいのは、次の三つです。
- 投資資産が30%下がっても、生活費に困らないか
- 近いうちに使うお金まで投資していないか
- 同じような銘柄や業種に偏っていないか
金利上昇は、必ず株価が下がるという予告ではありません。企業の利益が伸びれば、株価が上がることもあります。
それでも、最高値を「安心の証拠」にしないことは大切です。
僕が欲しいのは、口座の数字が一番大きくなる瞬間より、相場が荒れても自分の暮らしを守れる状態です。そのために、今日も無理のない金額で投資を続けていきたいと思います。
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