「分散投資」のつもりが、実は偏っていた
投資を始めたばかりのころ、私は「複数の投資信託を買えば分散になる」と思っていました。実際、評判の良いインデックスファンドを3本選んで、毎月積み立てを始めたんです。
ところが半年ほど経ってから、ふと保有銘柄の中身を確認してみると、3本ともAppleやMicrosoft、Amazonといった米国のテック企業が上位を占めていました。つまり、商品名は違っても、実質的には同じような資産に偏って投資していたわけです。
これは初心者あるあるなのですが、ポートフォリオを組むうえで意外と見落としがちなポイントでもあります。
ポートフォリオとは「資産全体の配分」のこと
ポートフォリオという言葉は、投資の世界では「自分が保有している資産全体の組み合わせ」を指します。株式、債券、現金、不動産など、何にどれくらいの割合で資産を振り分けているかを整理したものです。
たとえば「株式70%、債券20%、現金10%」といった具合に配分を決めることで、リスクとリターンのバランスを調整できます。株式ばかりだと値動きが大きくなりますし、現金ばかりだとインフレに負けてしまう。どちらにも偏らないように、自分の状況に合わせて組み立てるのが基本です。
商品の数ではなく、中身の違いが大事
私が最初に失敗したのは、「商品を複数持てば分散できている」と勘違いしていた点でした。投資信託を3本持っていても、すべてが米国株中心の全世界株式ファンドなら、実質的には同じ資産に集中投資しているのと変わりません。
大切なのは、商品の数ではなく、中身の資産クラス(株式・債券・不動産など)や地域(日本・米国・新興国など)が、ちゃんと違うかどうかです。
最初に決めるべきは「株と債券の比率」
ポートフォリオを組むとき、まず考えたいのが株式と債券の比率です。これが資産全体のリスクとリターンの大枠を決めます。
一般的に、若い世代で長期で運用できるなら株式の比率を高めにして、年齢が上がるにつれて債券や現金の割合を増やしていくという考え方があります。たとえば「100マイナス年齢=株式の比率(%)」という目安もよく紹介されています。30歳なら株式70%、40歳なら60%といった具合です。
ただし、これはあくまで目安。性格的にリスクを取るのが苦手な人は、もっと債券の比率を高くしても構いません。逆に、生活費の1年分以上の現金があって、余裕資金で運用しているなら、株式100%でも問題ないという考え方もあります。
私の場合は「株式80%、現金20%」で落ち着いた
私は現在33歳で、月5万円ほどを投資信託に積み立てています。最初は株式100%でしたが、コロナショックのときに一時的に含み損が30%近く出たことがあり、そのときに「もう少し現金を厚くしておけばよかった」と感じました。
今は、投資信託は株式中心のインデックスファンドのみにして、別途生活防衛資金を半年分ほど確保する形に変えました。割合でいうと、だいたい株式80%、現金20%くらいです。債券は今のところ組み入れていませんが、40代に入ったら少しずつ増やすかもしれません。
地域や資産を分ける意味
株式の中でも、どの国や地域に投資するかでリスクの性質が変わります。たとえば日本株は為替リスクがない代わりに国内経済の影響を受けやすく、米国株は成長性が高い反面、円安・円高の影響を受けます。新興国株はリターンが大きい可能性がある一方、政治リスクや通貨の変動も大きめです。
こうした性質の違う資産を組み合わせることで、どこか一つの地域が不調でも、ほかの地域でカバーできる可能性が高まります。これが「分散投資」の本来の意味です。
最近は「全世界株式」や「S&P500」など、一つの投資信託で広く分散できる商品が人気ですが、中身を見ると米国株が6割を超えているものも少なくありません。それが悪いわけではありませんが、自分が何に投資しているのかは把握しておいたほうが安心です。
リバランスという考え方
ポートフォリオは一度組んだら終わりではなく、定期的に見直すことも大切です。株価が上がれば株式の比率が増え、逆に下がれば債券や現金の比率が相対的に高くなります。
こうしたズレを元の配分に戻す作業を「リバランス」といいます。年に1回、または大きく比率がずれたタイミングで調整する人が多いようです。ただし、積立投資をしている場合は、買い増しの配分を調整するだけでも自然とバランスが整うこともあります。
私はまだリバランスを意識的にやったことはありませんが、今後資産が増えてきたら、年に一度くらいは見直してもいいかなと思っています。
正解はない。自分が納得できる形でいい
ポートフォリオの組み方に絶対的な正解はありません。年齢、収入、家族構成、リスク許容度、投資の目的など、人によって条件が違うからです。
大事なのは、「なぜこの配分にしたのか」を自分なりに説明できることだと思います。たとえば「まだ若いから株式中心」「住宅ローンがあるから現金を多めに」「退職金が入ったので債券も組み入れた」など、理由があれば、相場が荒れたときにも慌てずに済みます。
私自身、最初は何となくで始めましたが、一度含み損を経験してから、「自分はどこまで下がっても耐えられるか」を考えるようになりました。その結果、今の配分に落ち着いています。もちろん、これから変わる可能性もあります。
投資は長く続けるものなので、無理のない範囲で、自分が安心できる形を探していくのがいいのかなと思います。
もう少し詳しく学びたい人へ(Kindle本)
このブログでは断片的にしか書ききれない「30歳から無理なくFIREを目指す」ための具体的なロードマップを、Kindleでまとめました。高配当株を中心に「働かなくても暮らしが回る状態」を現実的に組み立てる方法を、家計シミュレーション付きで解説しています。
▶ Kindleで『30歳から始める「ゆるFIRE」― 高配当で“働かない自由”を買う現実的戦略』を見る
※Kindle Unlimited対象。スマホアプリでもすぐ読めます。



コメント