PER・PBR・ROEの数字、私は最初に何を見ているか

数字が並んでいても、何を見ればいいかわからなかった

個別株を買おうとすると、証券会社の銘柄ページには必ず「PER 15.2倍」「PBR 1.3倍」「ROE 8.5%」といった数字が並んでいます。

私が初めて個別株を検討したとき、これらの指標を見ても「で、これは高いの?低いの?」と判断がつきませんでした。解説記事を読んでも「PERは株価収益倍率で〜」という定義ばかりで、実際にどう使えばいいかがピンとこなかった記憶があります。

今でも完璧に使いこなせているわけではありませんが、自分なりに「この順番で見る」という型ができてきたので、今回はそれを整理してみます。

私が最初に見るのは「ROE」

PER・PBR・ROEの中で、私が最初に確認するのはROE(自己資本利益率)です。これは「企業が自分の資本をどれだけ効率よく使って利益を出しているか」を示す数字で、単位は%(パーセント)です。

たとえばROEが10%なら、「株主が出したお金100万円に対して、年間10万円の利益を生んでいる」というイメージになります。日本企業の平均はだいたい8〜9%前後と言われていて、私の感覚では10%を超えていれば「そこそこ効率的に稼いでいる企業だな」と判断しています。

ROEが極端に低い(3%以下など)場合は、事業の収益性が低いか、資本を活かしきれていない可能性があるので、そこで一度立ち止まります。逆にROEが15%を超えるような企業は、効率よく利益を出せている可能性が高い一方で、業種によっては無理をしている場合もあるため、次の指標と合わせて見るようにしています。

次に「PBR」で割安かどうかを判断する

ROEで収益性を確認したら、次に見るのがPBR(株価純資産倍率)です。これは「企業の資産に対して、株価が何倍で評価されているか」を示す指標で、単位は「倍」です。

PBRが1倍なら、株価と企業の純資産(総資産から負債を引いた額)がほぼ同じという状態です。1倍を下回っていると「割安」とされることが多く、逆に2倍、3倍と高くなるほど「市場が将来の成長に期待している」か、「買われすぎている」可能性があります。

私の場合、PBRが1倍を大きく下回っている企業には「なぜ評価が低いのか?」と疑問を持つようにしています。業績が悪化しているのか、業界全体が不調なのか、単に注目されていないだけなのか。ここで企業の決算資料やニュースを確認することが多いです。

ただし、PBRだけで「割安だから買い」とは判断しません。ROEが低いままPBRだけ低い企業は、単に「稼げていない企業が安く放置されている」だけの場合もあるからです。

最後に「PER」で将来への期待度を見る

PER(株価収益倍率)は、「企業の1年分の利益に対して、株価が何倍で評価されているか」を示す指標です。単位は「倍」で、たとえばPER15倍なら「今の利益を15年分積み上げると、株価と同じになる」という計算になります。

一般的には、PERが低いほど「割安」とされますが、実際には業種や成長ステージによって適正な水準が大きく異なります。安定した成熟企業ならPER10〜15倍程度が標準的ですが、成長企業では20倍、30倍になることも珍しくありません。

私がPERを見るときは、「同業他社と比べてどうか」を意識しています。たとえば同じ食品業界の中で、A社がPER12倍、B社がPER18倍なら、B社のほうが市場から将来の成長を期待されている可能性があります。ただし、その期待に実態が伴っているかは別の話なので、ここでも決算短信や中期経営計画を確認するようにしています。

3つの指標を組み合わせて「自分なりの基準」を持つ

PER・PBR・ROEは、それぞれ単体で見ても判断しづらく、組み合わせて初めて意味を持つ指標だと私は考えています。

たとえば、ROEが高くてPBRも高い企業は「効率よく稼いでいて、市場も評価している」状態です。一方で、ROEが低くてPBRも低い企業は「稼げていないし、期待もされていない」状態と言えます。このとき、PERが異常に高ければ「将来への期待だけで買われている」可能性があり、慎重になります。

私が実際に個別株を買ったのは1銘柄だけですが、そのときは「ROE 12%、PBR 1.1倍、PER 14倍」という組み合わせでした。業界平均と比べてやや割安で、収益性も悪くなく、極端に期待されすぎてもいない。そんな「ちょうどいい」ラインが、自分には合っていると感じたからです。

もちろん、これが正解というわけではありません。成長株を狙う人ならPERが高くても気にしないでしょうし、バリュー株が好きな人ならPBR 0.8倍以下を狙うこともあるでしょう。大切なのは、「自分がどんな企業に投資したいか」を決めてから指標を見ることだと思います。

指標は答えではなく、判断材料のひとつ

PER・PBR・ROEはあくまで過去や現在の数字であり、未来を保証するものではありません。これらの数字が良くても業績が急に悪化することもあれば、逆に指標が悪くても事業転換で急成長することもあります。

私自身、指標を見て「これなら大丈夫」と思って買った株が、半年後に10%下がった経験もあります。そのときに学んだのは、「指標はあくまで判断材料のひとつであり、答えではない」ということでした。

今でも個別株はほとんど買いませんが、それでもこれらの指標を見る習慣は残しています。たとえばニュースで「○○株が急騰」と聞いたとき、PERやPBRを確認して「これは期待先行だな」と冷静に判断できるようになったのは、小さな進歩だと思っています。

投資は自己責任です。指標の読み方に正解はありませんが、自分なりの「見る順番」や「許容できる範囲」を持っておくと、少し冷静に判断できるようになる気がします。

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