私は以前ある個別株を8万円ほどの損失で手放しました。買った理由は「SNSで話題になっていたから」で、売った理由は「下がり続けて怖くなったから」です。今思えば典型的な失敗ですが、当時は自分なりに考えて決めたつもりでした。
その後、冷静になって投資ノートを見返したとき、自分の判断に繰り返し出てくる「癖」があることに気づきました。そしてそれは、周囲で損を出している人たちにも共通していたものでした。
共通点①:買う理由が「他人の意見」だけになっている
投資で失敗する人の多くは、買う理由を他人の言葉で説明します。「○○さんがおすすめしていたから」「SNSで伸びるって言われていたから」というように、自分の判断軸がありません。
私が損切りした株も、買った理由を書き出してみると「成長する業界だと言われていた」「配当利回りが高いと紹介されていた」という、他人の評価を並べただけでした。自分がその会社の何に納得したのか、どのくらいの期間持つつもりなのか、そういった判断は一切していませんでした。
もちろん、他人の意見を参考にすること自体は悪くありません。ただ、それを「そのまま自分の判断」にしてしまうと、下がったときに何を基準に考えればいいのかわからなくなります。結果として、感情だけで売買を繰り返すことになります。
共通点②:損をすることを想定していない
投資を始める人の多くは、「増えること」だけを考えて資金を入れます。減ったときにどうするか、いくらまで下がったら撤退するか、そういったシナリオを持っていません。
私自身、その株を買ったとき「もし半年で20%下がったらどうするか」という問いを、一度も自分に投げかけていませんでした。だから実際に含み損が膨らんだとき、毎日株価をチェックしては不安になり、最終的に「これ以上見たくない」という理由で売ってしまいました。
損失を想定することは、ネガティブ思考ではありません。むしろ、冷静でいるための準備です。「ここまで下がったら一度見直す」「ここを割ったら損切りする」といったラインを事前に決めておくと、感情に流されにくくなります。
損切りラインを決めておくだけで、判断が楽になる
損切りラインとは、「ここを下回ったら撤退する」という価格や割合のことです。たとえば「買値から15%下がったら売る」と決めておけば、そこに達したときに迷わず行動できます。
私は今、個別株を買うときには必ず「買値−20%」をラインとして設定しています。完璧なルールではありませんが、少なくとも「ずるずる引きずって大損する」ことは避けられるようになりました。
共通点③:利益が出ると、すぐ売ってしまう
意外かもしれませんが、投資で失敗する人は「すぐ利確する」傾向もあります。少しでも含み益が出ると安心して売ってしまい、その後大きく伸びた銘柄を指をくわえて見ているパターンです。
私の場合、別の銘柄で5%ほど利益が出たときに「減る前に確定させよう」と思って売ったことがあります。その後、その銘柄は半年で30%以上上昇しました。損を恐れるあまり、利益も逃していたわけです。
利益確定のタイミングは難しいですが、「なぜ買ったのか」という理由が変わっていないなら、焦って売る必要はありません。むしろ、損はすぐ切って、利益は伸ばす。この非対称な行動が、長期的には成果につながります。
結局、失敗の共通点は「自分の軸がない」こと
投資で失敗する人に共通しているのは、知識不足というより「自分の判断基準を持っていない」ことだと感じています。他人の意見に乗り、損を想定せず、利益が出るとすぐ逃げる。こうした行動は、すべて「自分で決めていない」ことから生まれます。
私自身、8万円の損切りを経て、ようやく「なぜ買うのか」「いつ売るのか」を言語化するようになりました。それ以降、投資の成績が劇的に良くなったわけではありませんが、少なくとも感情で動くことは減りました。
投資はリスクを伴うものなので、必ず成功するわけではありません。ただ、自分なりの軸を持つことで、失敗の仕方はコントロールできます。そしてそのコントロールが、長く続けるための土台になると思っています。
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