AI時代、エンタメ産業の価値が上がる理由

結論:AIが人間の仕事を奪うほど、「人間を楽しませるもの」の価値は上がると思う

僕はこれから10年、20年という時間軸で考えたとき、エンタメ産業の価値は今よりかなり高くなると思っている。

理由はシンプルだ。

AIによって、これまで人間が時間をかけてやっていた仕事がどんどん効率化されていくからだ。

文章を書く。

画像を作る。

資料をまとめる。

翻訳する。

プログラムを書く。

情報を検索する。

こうした仕事の一部は、すでにAIに任せられるようになってきた。

すると、これまで「人間の時間を奪っていた仕事」が減っていく。

そこで重要になるのが、

「人間は増えた時間を何に使うのか?」

ということだ。

僕は、その大きな受け皿の一つがエンタメになると思っている。

1.AIによって「知識」の価値は下がるかもしれない

少し前まで、

「たくさん知っている人」

は、それだけで価値があった。

分からないことがあれば、本を読む。

専門家に聞く。

Googleで検索する。

詳しい人に教えてもらう。

僕自身も、分からないことがあれば調べるのが当たり前だった。

ところが今は違う。

AIに質問すれば、かなり複雑な内容でも数秒で整理してくれる。

もちろん専門家の知識が不要になるわけではない。

でも、

「知っているだけ」では差別化しにくくなる

のは間違いないと思う。

例えば、

「日本の人口減少について教えて」

とAIに聞けば、かなり詳しい説明が返ってくる。

では、そこで人間に残る価値は何なのか。

僕は、

「何を考えるか」

そして、

「何を感じるか」

だと思っている。

2.だから「感情を動かすもの」が強くなる

映画を観て感動する。

好きな音楽を聴く。

スポーツを見て興奮する。

ゲームに熱中する。

好きなアニメのキャラクターを応援する。

ライブに行く。

旅行をする。

推しのグッズを買う。

これらは、単なる情報ではない。

感情を動かす体験だ。

AIがどれだけ賢くなっても、

「この作品を見て泣いた」

「このライブに行って人生が変わった」

「このキャラクターが好き」

という感情そのものを、完全に代替するのは難しい。

むしろAIによって情報が溢れれば溢れるほど、

「自分の感情を動かしてくれるもの」

の価値は高まるのではないかと思う。

3.実は日本は「エンタメ大国」になりつつある

これは単なる僕の感覚だけではない。

日本のコンテンツ産業は、すでに世界市場で大きな存在感を持っている。

2023年の日本コンテンツの海外売上は約5.8兆円に達したと報じられている。

これは日本の半導体輸出額を上回る規模だ。

さらにアニメも凄い。

日本動画協会の「アニメ産業レポート2025」では、2024年のアニメ産業市場は3兆8,407億円となり、過去最高を更新した。

しかも重要なのは、国内だけで成長しているわけではないことだ。

海外市場の伸びが特に大きくなっている。

つまり、

日本国内の人口は減っているのに、日本のコンテンツを楽しむ人は世界で増えている。

これはかなり面白い現象だと思う。

4.「日本人向け」から「世界向け」になる

これまで日本の企業がビジネスを考えるとき、

「日本国内で何人に売れるか」

という考え方がかなり重要だった。

でもアニメやゲーム、漫画には国境がない。

例えば一つの作品が、

日本

アメリカ

ヨーロッパ

アジア

南米

と広がっていく。

日本の人口は約1.2億人。

一方、世界人口は80億人を超える。

単純計算すれば、市場の母数が数十倍になる可能性がある。

だからこそ、コンテンツには日本の人口減少という問題を超えられる可能性がある。

実際、日本政府もアニメ・ゲームなどの海外展開を重要産業として位置づけ、2033年までに海外市場を大きく拡大させる目標を掲げている。例えばアニメ海外市場については、2024年の約2.1兆円から2033年に6兆円へ、ゲームについては3.4兆円から12兆円へ拡大させる目標が示されている。

5.AIはエンタメ産業の「敵」ではなく「増幅器」になる

ここが一番重要だと思っている。

AIによってエンタメの価値が上がるというと、

「AIが映画やアニメを全部作るようになる」

という話に聞こえるかもしれない。

僕は少し違うと思う。

AIはむしろ、

「コンテンツを作るコストを下げる」

方向に働く。

例えば今まで100人必要だった制作工程が、AIによって50人、30人になったらどうなるか。

単純に人件費が減るだけではない。

今まで予算不足で作れなかった作品を作れるようになる。

個人でもゲームを作れる。

個人でもアニメを作れる。

個人でも映像作品を作れる。

つまり、

「作り手の数」が爆発的に増える可能性がある。

実際、2026年に公表された研究でも、生成AIによってゲーム制作の参入障壁が大きく下がり、インディーゲームの制作量が拡大している可能性が指摘されている。

6.でも「作れること」と「売れること」は全く違う

ここは注意が必要だ。

AIで誰でも映画を作れるようになったからといって、映画を見る人が増えるとは限らない。

むしろ逆だ。

コンテンツが大量に作られることで、

「何を見るか分からない」

という問題が起きる。

例えば1日に1万本の動画が公開されたとしても、人間が1日に見られる動画には限界がある。

だから、

「作る能力」

よりも、

「選ばれる能力」

が重要になる。

ここで価値を持つのが、

  • ブランド
  • キャラクター
  • IP
  • 世界観
  • ストーリー
  • ファンコミュニティ
  • 作者への信頼

だと思う。

7.だから僕は「IP」がものすごく重要になると思っている

例えば、

ポケモン。

マリオ。

ドラゴンボール。

ワンピース。

鬼滅の刃。

サンリオ。

こうしたコンテンツには共通点がある。

一つの作品で終わらない。

漫画になる。

アニメになる。

映画になる。

ゲームになる。

グッズになる。

イベントになる。

テーマパークになる。

海外展開する。

つまり、

一度作った世界観が何度もお金を生む。

これは非常に強いビジネスモデルだ。

僕が投資を考えるときにも、単純な売上だけではなく、

「この会社は何を持っているのか?」

を見ることが重要だと思っている。

工場や設備だけではなく、

「世界中の人が知っているキャラクターやブランド」

も、とてつもない資産になる。

8.「モノ」より「体験」にお金を払う時代になる

僕自身、年齢を重ねるにつれて感じることがある。

昔は、

「何を買うか」

が重要だった。

新しいゲーム。

新しい服。

新しい家電。

新しいスマホ。

もちろん今でも欲しいものはある。

でも、それ以上に、

「どこに行くか」

「何を見るか」

「誰と過ごすか」

「何を体験するか」

に価値を感じるようになった。

これは僕だけではないと思う。

AIによってモノや情報がどんどん安く、便利になればなるほど、

希少になるのは「人間の時間」

だからだ。

1日は24時間しかない。

どれだけAIが進化しても、僕たちが持っている時間そのものは増えない。

だから、

限られた時間を使ってでも体験したいもの

には価値が残る。

9.「推し活」はその象徴だと思う

最近のエンタメを考える上で、推し活は非常に面白い。

なぜ人は、好きなアイドルやアニメキャラクターにお金を使うのか。

冷静に考えれば、

「CDを買わなくても音楽は聴ける」

「動画を見るだけなら無料でもできる」

「キャラクターの画像を見るだけならお金はかからない」

それでも人はグッズを買う。

ライブに行く。

イベントに参加する。

ファンクラブに入る。

なぜか。

「商品」ではなく「感情」にお金を払っているからだ。

これからAIによって商品や情報がコモディティ化していくほど、この傾向は強くなるのではないかと思う。

10.エンタメ産業は「暇つぶし」ではなくなる

僕はここが一番大きな変化だと思っている。

これまでエンタメは、

「仕事が終わった後に楽しむもの」

という位置づけだった。

でもAIによって仕事の効率が上がれば、

自由時間そのものが増える可能性がある。

例えば、今まで8時間かかっていた仕事をAIによって6時間で終えられるようになったとする。

1日2時間。

月20日働けば、

2時間×20日=40時間

もの時間が生まれる。

年間では、

40時間×12か月=480時間。

約20日分だ。

この時間を人間は何に使うのか。

睡眠も必要だ。

家族との時間も必要だ。

でも、その一部は、

映画
ゲーム
漫画
アニメ
スポーツ
旅行
音楽
ライブ
推し活

などに向かう。

つまり、

AIによって生産性が上がるほど、エンタメの「消費時間」を巡る競争が激しくなる。

11.ただし、エンタメ業界なら何でも儲かるわけではない

ここは投資という視点でも重要だと思う。

AI時代にエンタメが伸びるとしても、

「エンタメ企業なら全部成長する」

とは思わない。

むしろ格差は大きくなる可能性がある。

AIによってコンテンツ制作コストが下がれば、作品数は増える。

すると、

「普通の作品」

は埋もれる。

一方で、

「どうしても見たい作品」

には人が集中する。

だから、

1億円の作品が100本売れる世界より、1本の作品が世界中で100億円を生む世界

になっていく可能性がある。

実際、2025年には「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章」が世界興行収入1,000億円を突破したと報じられている。

一つのIPが世界規模で巨大な経済圏を作る。

これは日本にとっても大きなチャンスだと思う。

12.僕がこれから注目したいのは「エンタメ×AI×IP」

これから面白いのは、この3つの組み合わせだと思っている。

AI

×

IP

×

エンタメ

だ。

例えば、

AIで制作コストを下げる。

面白いコンテンツを大量に作る。

SNSで世界中に届ける。

人気キャラクターを育てる。

ゲーム・映画・グッズ・イベントへ展開する。

海外市場へ広げる。

こうなると、一つのキャラクターから何十種類ものビジネスが生まれる。

これまで大企業しかできなかったことが、AIによって小さな会社や個人にも可能になるかもしれない。

13.そして、僕が一番面白いと思っている未来

僕が今後の社会について考えるとき、

「AIによって人間は何をする必要がなくなるのか?」

だけではなく、

「その結果、人間は何をしたくなるのか?」

を考えるようになった。

仕事を効率化する。

情報をAIに調べてもらう。

文章もAIに手伝ってもらう。

画像もAIで作る。

そうなった先に残るのは、

「では、その時間で何をする?」

という問題だ。

僕はそこに、

「楽しむ」

という人間の根源的な欲求があると思っている。

人間は、効率だけを求めて生きているわけではない。

むしろ、

「楽しい」

「面白い」

「感動した」

「誰かと共有したい」

という感情のために生きている部分も大きい。

だから僕は、

AI時代は「仕事の時代」から「余暇の価値が高まる時代」へ少しずつ変わっていく

と思っている。

まとめ

AIによって、

「情報」

「知識」

「定型作業」

「コンテンツ制作」

のコストはどんどん下がっていく。

その一方で、

人間の時間

感情

体験

ブランド

IP

の価値は相対的に高くなる。

だから僕は、

AI時代だからこそ、エンタメ産業は伸びる。

と考えている。

日本にとってもこれは大きなチャンスだ。

人口が減っても、世界中の人にコンテンツを届けることはできる。

2024年の日本アニメ市場は3.84兆円まで拡大し、海外市場の成長も目立っている。

さらに日本政府も、2033年までにアニメやゲームなどの海外市場を大きく拡大する目標を掲げている。

もちろん、AIによってコンテンツが大量生産されれば、「普通の作品」の価値はむしろ下がるかもしれない。

だからこそ、

「誰でも作れるもの」ではなく、「この人だから、この作品だから見たい」と思わせるもの

が重要になる。

AIが進化すればするほど、人間は合理的になるのではない。

むしろ、

もっと感情的になる。

もっと楽しむ。

もっと誰かを応援する。

もっと体験にお金を使う。

僕はそんな未来になるのではないかと思っている。

そして、これから資産形成を考えるときも、

「AIで何がなくなるか」

だけではなく、

「AIによって、人間は何に時間とお金を使うようになるのか?」

という視点を持っておきたい。

そこには、これから大きくなる産業のヒントが隠れていると思う。

📚 Kindleのお知らせ

僕は「お金を増やすこと」だけではなく、お金によって人生の選択肢を増やすことをテーマにKindleでも本を書いています。

今回の記事に興味を持っていただいた方には、こちらもぜひ読んでいただきたいです。

『お金の教科書――貯める・増やす・自由になる』

お金を「貯める」「増やす」だけではなく、最終的に**「自由になるためにどう使うのか」**という視点でまとめています。

AIによって社会が大きく変わっていく時代だからこそ、
「どんな未来になるか」を考えるだけではなく、自分自身がどんな人生を選びたいのかを考えておくことが大切だと思っています。


▶ Kindleで「AI時代の資産形成・副業術―『使われる側』から『使う側』へ」を見る

▶ Kindleで『お金の教科書—貯める・増やす・自由になる』を見る

▶ Kindleで『30歳から始める「ゆるFIRE」― 高配当で“働かない自由”を買う現実的戦略』を見る

コメント