複利は魔法ではない。30代が知っておくべき「時間の使い方」

「複利効果で資産が雪だるま式に増える」に違和感があった

投資を始めたばかりの頃、よく「複利の力で資産が雪だるま式に増える」という言葉を目にしました。当時の私は「時間さえかければ勝手にお金が増えていくんだな」と思っていましたが、実際に積立投資を続けてみると、そんなに単純な話ではないと気づきました。

複利は確かに強力です。ただ、それを「味方につける」には、いくつか前提となる考え方があります。私自身が30歳から月3万円の積立投資を始めて4年目になりますが、今回はその経験を踏まえて、複利と向き合う上で大切だと感じたことを書いていきます。

複利が働くのは「元本が残り続ける」ときだけ

複利とは、運用で得た利益を再投資することで、元本と利益の両方が次の利益を生む仕組みです。よく「利息に利息がつく」と説明されます。

ここで大事なのは、元本と利益が「残り続ける」ことが前提だということ。途中で解約したり、生活費として引き出したりすると、その分だけ複利効果は薄れます。つまり複利を味方につけるには、長く置いておける資金で始める必要があります。

私の場合、最初の1年は「いつでも解約できる」と思っていましたが、実際にはそのつもりで積み立てても値動きが気になって精神的に落ち着きませんでした。今は「最低10年は触らない」と決めた分だけを投資に回しています。

複利は「利回り」と「時間」の掛け算で決まる

複利の効果は、年利と運用期間によって大きく変わります。たとえば年利5%で100万円を運用した場合、10年後は約163万円、20年後は約265万円、30年後は約432万円になります。(税金は考慮していません)

ここで注目したいのは、10年と20年の差が約100万円なのに対し、20年と30年の差は約167万円と大きくなっていること。複利は時間が経つほど加速します。裏を返せば、始めるのが遅れると得られるはずの利益も減るということです。

ただし、焦って無理な金額を投資に回すのは本末転倒です。途中で生活が苦しくなって解約すれば、せっかくの複利効果も途切れてしまいます。月1万円でも2万円でも、続けられる金額から始める方が結果的には長く味方につけられます。

「複利のために待つ」ではなく、「待てる範囲で投資する」

複利を意識しすぎると、「早く増えてほしい」「もっと利回りの高い商品を探そう」と焦る気持ちが出てきます。私も2年目あたりで、SNSで派手な利益報告を見て焦ったことがありました。

でも冷静に考えると、複利は「待てる人」が恩恵を受ける仕組みです。待てない金額を投資してしまうと、含み損が出たときや急な出費があったときに解約せざるを得なくなり、結局は複利の恩恵を受けられません。

私が今意識しているのは、「複利のために待つ」のではなく、「待てる範囲の金額で投資する」ということ。生活防衛資金(生活費の半年〜1年分)を現金で確保した上で、余裕資金だけを積み立てるようにしています。そうすることで、値動きに一喜一憂せず、淡々と続けられる状態を保てます。

複利効果は「見えにくい」からこそ、記録を残す

複利の効果は、最初の数年はほとんど実感できません。月3万円を年利5%で運用しても、1年目の利益は1万円にも満たないでしょう。「こんなものか」と感じるかもしれません。

ただ、10年、15年と続けると、徐々に「元本よりも利益の伸びが大きくなる瞬間」がやってきます。その変化を自分で確認できるよう、私は年に1回、資産の推移をスプレッドシートに記録しています。積立額・評価額・評価損益を並べて見ると、複利がどう働いているかが少しずつ見えてきます。

記録をつけることで、「今はまだ途中」という気持ちを保ちやすくなりました。複利は派手ではないですが、続けた人にだけ効いてくる力だと思っています。

「複利を味方にする」とは、結局は自分との付き合い方

複利の力を借りるために必要なのは、高度な金融知識や大きな元手ではなく、「長く続けられる環境を自分で整えること」だと感じています。無理のない金額で始めて、余計な売買をせず、淡々と積み立てる。それだけです。

もちろん、投資にはリスクがあります。元本割れする可能性もありますし、複利が必ず味方になるとは限りません。それでも、時間を味方につけられる仕組みがあるなら、使わない手はないと私は思っています。ただしそれは、自分のペースで、自分が待てる範囲で続けた場合に限る話です。

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